ぐんま名月(りんご農園の一番おすすめする林檎)

ぐんま名月とはどんな種類のりんご?

写真は蜜入りの良いぐんま名月です

写真は蜜入りの良いぐんま名月です。

園主が一番にお勧めする品種、「ぐんま名月」。

「あかぎ」と「ふじ」を交配した、群馬県育成の品種です。1991年に品種登録されているので、特に新しい品種ではなく、当園でも父の代から30年近い栽培歴がありますが、近年その美味しさが市場でも認知され、栽培者も少しずつ増えている品種です。

園主が学生だった頃、この林檎のあまりの美味しさにビックリして、父に「このりんご増やせば?」と言ったところ、「農協がとらないからなぁ」という理由で増植はされませんでしたが、近年ようやく農協でも集荷をするようになり、「ぐんま名月」が大好きな園主は喜んで植えています。

りんごの品種一覧のページでも「ぐんま名月」について説明していますが、当園で一番力を入れている種類のりんごですので、特に詳しく取り上げて説明させていただきます。


ぐんま名月」をお歳暮や贈答用にお勧めする理由

理由1 とにかく美味しい

とても甘くて香りが素晴らしく良く、酸味はほとんど感じません。果汁も多く、蜜が入ってもシャキシャキ感のある歯触りです。甘さと香り、果汁とシャキシャキ感が全てバランス良く優れていて、とても美味しく感じます。

果肉はふじほどは硬くなく、程よい硬さのため、食べやすさという面で年配の方にも好まれます。
酸味の強い品種を好む人でも「名月は美味しい」という人が多いので、「とにかく美味しい」と表現させていただきました。

 

理由2 収穫時期が良い(お歳暮や贈答品のトップシーズンに発送可能)

近年、温暖化の影響でサンふじの成熟期が昔より遅くなり、当園では11月の最終盤から収穫を始めるということもあるようになりました。この時期まで待たないと味が乗ってこない、蜜入りが良くないという年が出てきたわけです。ところがサンふじは最終の品種のため、12月の上旬までにはどうしても収穫を終わらせなければなりません。あまり遅くなりすぎると、強い寒波が来た場合に樹上で凍結してしまうためです。つまりサンふじの場合、たとえ成熟が遅い年であっても完全に味が乗ってくるまで待つということが難しいのです。

これに対して、ぐんま名月の収穫時期は当農園では平年では11月中旬から下旬です。
この時期に収穫期を迎えるのであれば、もう少し味の良くなるのを待ちたい年には1週間から10日程度収穫を遅らせることができます。収穫時期が後ろにずれ込むので、発送作業などはサンふじの収穫とも重なってとても大変になりますが、お客様に味の良いものをお届けすることができます。

そして、ぐんま名月の場合、従来のサンふじの発送時期である11月中旬から12月上中旬のお歳暮やご贈答用りんごのトップシーズンにぴったり合わせて発送することができます。


理由3 当たり外れが少ない

近年、温暖化の影響でサンふじが作りづらくなってきたということは生産者の間でもよく云われていることです。
生育不順からのツル割れ(果梗基部の割れ)や着色不足などの品質の低下・収穫量の低下などがあげられます。また、外観に問題がなくても味がイマイチというものも多く流通するようになってきました。このようなことから、サンふじの場合は出来の良いものと良くないもので当りはずれがでる頻度が多くなっているように感じます。その年ごとの天候によっても、また畑の土質によっても差が出るようになってきたと感じます。

これに対して、ぐんま名月はツル割れの発生は少なく、そもそも黄色品種なので赤い色付きを気にする必要がなく、ほとんど外観にとらわれずただ味が良い果実かどうかだけで選別すれば済みます。美味しくない個体の見分け方も難しくないため、外観によるロスや当り外れが少ない品種であるといえます。

※店頭で市販されている「ぐんま名月」の中には当然ふじと同様に「外れ」のものも多く存在します。きちんとした生産者から購入する場合に「外れ」を引く可能性はふじの場合よりも低いということです。

 

「ぐんま名月」は完璧? 欠点はある?

以上のように素晴らしい点が多い品種ですが、どんな品種でも完璧ということはなく、必ず何らかの問題点は存在します。
以下は「ぐんま名月」に完熟を求めた場合の問題点です。完熟を求めなければこのような問題点は発生しませんが、完熟とそうでないものとでは味に相当な差があります。

1、寒さに弱い

ふじと比べて寒さに強くありません。11月上旬や中旬に強い寒波が入ってきた場合、内部褐変(果肉が茶色に変色)のリスクが高くなります。特に春先の霜で中心果が被害を受けて側果を生育させたような年には危険です。

ただし、蜜入りを良くするためにはある程度の冷気に当てることが必要です。
そのため当園では収穫時期には天気予報・最低気温の予報を非常に注意深くチェックして収穫日を決めています。蜜入りを良くしようとすればするほど内部褐変のリスクは増えますが、それでも蜜入りを良くするためギリギリまで樹に成らせています。

経営的に考えるとリスクが大きい馬鹿なことをしていますが、味の違いでリピートしてくださるお客様も多いと思っています。
普通のりんご園ではおそらくサンふじが主力品種で、ぐんま名月はそれほど大きな位置づけではないと思いますが、当園ではぐんま名月を大事な品種として考えていますので、ある程度のロスも覚悟でちょっと無茶なことをしています。過去に一度蜜入りにこだわりすぎて大量の内部褐変という大失敗をした経験があり、それからは慎重になっていますが、それでもかなりこだわっている生産者だと思います。

2、割れる

完熟すると、りんごのお尻の部分にひびが入ってそこから割れるものが出てきます。樹に成っている状態で割れるものもあれば、収穫して保管中に割れるものもあります。発送後に日数の経過や気温の変化などで時限爆弾のように割れてしまうものもあります。ひびが入っているものの方が完熟していて味が良い場合が多いのですが、届いた後に割れていたら驚かれるかと思います。
ただし、割れるものは前兆としてひびが入っている場合がほとんどですので、そのようなものを取り除くことで発送した品に割れが入るということを防ぐことはできます。

 

おいしい「ぐんま名月」の見分け方

最近ではスーパーの店頭でも名月を目にする機会が多くなってきましたが、選ぶ場合の見分け方をお伝えします。

1、黄緑色やレモン色より黄色っぽいものが良い

これは黄色系の品種全般に当てはまることですが、黄色が強い方が日当たりが良い位置に成った果実で良く熟して甘い傾向にあります

2、表面にざらつきがある方が良い

これは品種によって当てはまるものとそうでないものがありますが、名月には当てはまります。
店頭のものに触るのは良くありませんが、目で見て判断できます。果点(果実表面に無数についている点)の一つ一つがほんの少し盛り上がり、ちょっとゴツゴツというかザラザラしたような状態のものが美味しい傾向にあります。イボリがあるなどともいわれます。

3、重い

これはリンゴ全般にいえることですが、持ったときに重さがあるものをお勧めします。糖分や水分が多いと比重が高く、甘くみずみずしく感じます。

 

以上、当りんご園の一番のおすすめ、ぐんま名月について書かせていただきました。ぜひ一度お取り寄せをいただけましたら幸いです。よろしくお願い致します。