◆経理担当者としての決算準備
(1) 現金・預金
現金については実査と帳簿残高との差額について調査が必要です。決算 時において差額が判明しない場合には雑損、雑益として処理することとなりま す。預金については、各金融機関に「残高証明」を依頼するか、通帳の写しを突合資料として提出すると良いでしょう。
(2) 売掛金・買掛金の計上
決算日までに入金、支払いがないものについては売掛金、買掛金に計上す ることとなりますが「締切後」の売掛金・買掛金に注意してください。 * たとえば3月決算法人の場合 具体的には25日締切りの得意先があった場合には2月26日〜3月25日の期間の売上金額の請求書を4月上旬に得意先に発行することとなりますが、この請求書の金額のみで「売掛金」としてしまうと、3月26日から3月31日までの売掛金が計上漏れとなってしまいます。この場合には売上伝票等で締切後の金額を把握することとなります。同様に「買掛金」についても締切後の金額について納品書等で把握してください。
(3)滞り債権のピックアップ
売掛金、受取手形、貸付金について滞っているものがないか、滞っている場合にはその理由を確認する必要があります。貸倒処理の条件が揃っている場合には貸倒処理をしなければなりません。損金算入時期を逃さないように、滞り債権をピックアップし顧問税理士等に報告してください。
(4)減価償却資産等の把握
消耗品費、修繕費で処理した支出のうち固定資産に計上すべきものがないか検討が必要です。10万円以上の支出については内容等を明らかにして顧問税理士に確認しましょう。中小企業者等については一つあたり30万円未満の資産について合計で年間300万円までの金額を損金に算入することができる特例があります。
(5)棚卸し資産
年度末の棚卸しについて「預け在庫」等の計上漏れがないか、今一度確認しましょう。仕掛品についても検討し、引渡しが翌期の売上の減価・経費が当期に計上されていないか確認が必要です。そのような場合には、売上と原価計上が同じ事業年度となるように仕掛品として計上することとなります。棚卸資産の計上漏れはダイレクトに所得に影響しますので、細心の注意が必要です。
(6)交際費の検討
平成18年4月以降開始事業年度については、1人あたり5000円以下の飲食費は交際費課税の対象から除かれることとなります。ただし、もっぱら自社の役員や従業員のために支出するものは除き、?年月日?参加者の氏名等、?人数、?飲食店の名称及び住所等を記載し保存することが要件となっていますので注意が必要です。 また交際費の中に会議費、福利厚生費に振り替えられるものがないか検討が必要です。
(7)消費税の課税区分の見直し
会計ソフトにより入力している会社は、消費税の課税区分の見直しを行いましょう。とくに海外との取引が多い法人は仕入高、旅費交通費、通信費、支払い手数料等に課税取引または不課税取引が混在する可能性があります。
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