平成16年度税制改正では、住宅・土地税制について大幅な見直しを行っています。 特に、譲渡があった場合の取扱いが、住宅とその他の不動産では大きく異なることとなった他、特例の適用の判断についても間違えやすい点があるので以下整理してみます。
T 改正のポイント U 平成16年以降の不動産譲渡の取扱い V 居住用財産の買換え等の譲渡損失の繰越控除 (1) 改正前の要件 (2) その他の主な要件 W 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除 (1) 制度創設の趣旨 (2) 適用要件 (3) 対象金額
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T 改正のポイント
次の点が特に重要です。
@
土地等の譲渡損とその他の所得との損益通算・繰越控除が原則として認められなくなりました。
A
居住用不動産の買換えが行われる場合の売却居住用不動産の譲渡損失については、例外として損益通算・繰越控除が認められます。
B
居住用不動産の譲渡損のうち、一定のローン残高がある場合のいわゆる債務超過額までの部分については、損益通算・繰越控除が特例として認められる制度が創設されました。
C
土地等の長期譲渡益に対する税率が26%から20%(所得税15%、住民税5%)に引き下げられる一方で、100万円特別控除が廃止されました。
U 平成16年以降の不動産譲渡の取扱い
平成16年以降に土地・建物等を譲渡した場合に、損益通算や繰越控除制度がどうなるかをフローチャートにすると、 下の図表のようになります。
平成16年以降の土地・建物等の譲渡
V 居住用財産の買換え等の譲渡損失の繰越控除
(1) 改正前の要件
改正前は、この制度を適用するためには、「譲渡資産の取得に係る一定の住宅借入金残高を有していること」という条件がありました。 経済が低迷し地価下落、低金利状態が長期化している状況下で、一般に住宅ローンの繰上げ返済が進んでいることから、実態に即してローン完済者にも通用を拡げるため、この要件は廃止されています。
(2) その他の主な要件( 上の図表以外)
平成16年1月1日から平成18年12月31日までに行う家屋又は土地等の譲渡
その個人の親族等に対する譲渡でないこと
買換資産が国内にある一定床面積以上の家屋又はその敷地であること
繰越控除を受けようとする年の12月31日において、買換資産の取得に係る一定の住宅借入金等を有しでいること
W 特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除
(1) 制度創設の趣旨
住宅売却代金でローン残高が弁済できない場合には、買換えができず、現行制度では譲渡損失についての配慮がなくなることから、新生活への再出発を支援する観点から設けられています。
(2) 適用要件
個人の平成16年1月1日から平成18年12月31日までに行うその有する家屋又は土地等の譲渡
その家屋又は土地等が、その年の1月1日において所有期間が5年を超えていること
その家屋又は土地等を、居住の用に供していること
親族等に対する譲渡でないこと
D
譲渡契約を締結した月の前日において、その譲渡資産に係る一定の住宅借入金等を有すること
E
繰越控除の適用を受けようとする年の合計所得金額が3,000万円以下であること
(3) 対象金額
対象となる「特定居住用財産の譲渡損失の金額」は、次の金額のうちいずれか少ない金額となります。
譲渡損失の金額
借入金残高の合計額−譲渡対価の額
(注)
この制度と居住用財産の買換え等の譲渡損失の繰越控除と両方の制度を適用可能な場合、この制度が譲渡時点の債務超過額を限度とすることを考慮すれば、一般的には買換え等の特例を適用した方が有利と考えられます。
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