2016/01/29◆オレイン酸数値が高いりんご和牛・信州牛 改めて29日(肉の日)に和牛肉のオレイン酸について掲載しようと考えました。 昨年の和牛の枝肉相場は国内出荷頭数の減少と順調な海外輸出、海外からの観光客の大幅な伸びなどの要因から予想以上の高値で推移しました。最近の牛肉の動向は、赤身志向(赤身肉を一定期間熟成した熟成肉を含む)と従来の和牛本来のサシを求める高級志向に分かれています。 若い人たちにはステーキのような肉量のあるメニューが人気で、赤身肉が好まれます。一方で、すき焼き、しゃぶしゃぶなどの食べ方だと量より見た目の美しさや味、内容にこだわります。(高額でも少しの量で満足感を得られます)たぶん海外においても、そして日本に来る観光客も和牛のようなサシの入った霜降りで、やわらかく味わい深い和牛肉を食べてみたいのではないでしょうか。 和牛本来のサシが入り、甘みがあり、融点の低い脂の和牛肉は私たちに本当の”至福のひと時”を与えてくれます! このような肉はしつこくなくロースのステーキでも美味しく食べられると思います。(予算が許すのであればA5 A4のお肉で!(*^_^*))私は、もも(ランプ、うちモモ、芯たま)のステーキやローストビーフなどもお勧めします! 柔らかく、適当なサシと和牛本来の旨味が凝縮しています。 いずれにしても和牛の肉はどの部位であっても美味しいことに間違いありません。 日本の和牛は100年前から改良され続けて今に至ります。そしてその肉質は世界に誇れる日本の財産であります。 しかし、この50年あまり牛肉の格付けと枝肉の評価はサシ重視になっていた為、和牛の改良もサシ重視になっていたと思われます。サシの指数であるBMSナンバーは年々高くなってきていて、おそらく今がMAX(最高)でしょう。 100年前、当時来日していた外人さんが役牛に使われていた日本の和牛を食べて、その味にとてもビックリしたという話しがありますが、私達生産者はそのことを忘れてはいけません。(和牛肉の味の原点はそこにあるような気がします) 最近、健康食が注目されています。食生活が欧米化してきて生活習慣病が問題になっているからです。そのため野菜、魚中心の食生活が薦められますが、高齢になっても体に必要なたんぱく質の摂取はとても大切です。牛肉は良質なたんぱく質はもちろん、普段あまりとることができない、体に必要なビタミンB類、鉄分、マグネシウムなどが多く含まれている理想的なお肉なのです。食生活において重要なのは、食のバランスではないでしょうか。 美味しいものを体の健康を気にしないで食べたい。特に和牛のようにサシが入ったお肉を食べるとき誰もが考える事で、どうしても脂の取り過ぎを考えがちです。しかし体にたんぱく質を吸収する為には肉全体量の23〜25パーセントの良質の脂が必要だと説く学者の方もいるくらいです。 私のホームページのメニューでりんご和牛・信州牛を紹介しているようにオレイン酸を多く含んだ和牛の肉は、まさにこれらの問題を解決してくれる要素を含んでいます。最近、全国の牛肉産地では米やオリーブ油、発酵飼料を使いオレイン酸を高める努力がされています。長野県のりんご和牛・信州牛はすでに、りんご入り発酵飼料を使い全国に先駆けて取り組んで来ました。りんごには多くの食物繊維が含まれていて抗酸化作用が強いとされるポリフェノール、体脂肪を減らしガン予防にも効果があるとされるケルセチンや成人病の予防になるとされるペクチンなどが含まれています。その昔、役牛として牛が家族同様大切に飼われていた頃、長野県北部の農家では病気の牛に毎日りんごを与えていたところ元気になったという話が伝えられています。 「一日一個のりんごは医者知らず」と言われているように、これらの飼料で育った和牛肉はオレイン酸数値が高く、牛にとっても人にとってもいい結果をもたらしてくれるはずです。 昨年11月29日に開かれた第30回 信州牛生産販売協議会枝肉共進会には34頭の和牛が出品されました。決して大きな共進会ではないのですが、その時のオレイン酸平均値は59.8%、プレミアム牛率は88.2%でした。従来のサシを重視した肉の評価プラスこのように肉の旨味を数値で表す方法はこれからますます盛んになると思います。私個人としては、これこそが和牛肉の適正な評価ではないかと思っています。 オレイン酸牛について興味のある人はこちらでも紹介されています。 http://黒毛和牛.com/naruhodo/orein/ |